日系アフィリエイト大手のインタースペースがマレーシアに進出

日系アフィリエイト大手のインタースペースがマレーシアに進出

2019/02/21

オンライン副業のインフラ「アフィリエイト」が、東南アジアのネット広告を変える


東南アジアでは「会社勤めよりも起業したい」という人が多い。
副業も一般的で、シェアライドのGrab(グラブ)のドライバーの80%は副業だという。実際にマレーシアでGrabを使うと、公務員でも堂々と副業としてドライバーとして稼いでいたりする。

そんななか、インターネットとパソコンがあれば稼げるアフィリエイトビジネスが、東南アジアで注目を浴びている。デジタル化が急速に進む東南アジアで急成長しているeコマースも、アフィリエイトビジネスにとって好材料だ。

そんなアフィリエイトビジネスが熱い東南アジアのマレーシアに、2019年2月に進出するのが日系ASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)大手のInterspace(インタースペース)だ。 インタースペースマレーシアCEOの中田逸人氏にお話をうかがった。
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Interspace Digital Malaysia Sdn. Bhd. CEO
中田 逸人 さん


 早稲田大学卒業後、株式会社インタースぺースに入社。2014年から活動の拠点をマレーシアに移し、シンガポール、インドネシア、タイ、フィリピン、ベトナムなど東南アジアのデジタルマーケティング関連のプロジェクトに関わる。手掛けた業種は、eコマースのほか、旅行、通信、美容、金融、人材紹介、オンライゲームなど。2019年2月、インタースペースマレーシアを立ち上げる。

http://interspace.my/

 
 

日系アフィリエイトサービスプロバイダー、インタースペースとは


インタースペースは、日本発のASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)だ。
東証マザーズに上場しており、提携している媒体数は約40万と、日本ではトップ5に入るASP大手である。 インタースペースの名前は知らずとも、同社が運営するASPサービス「アクセストレード(Accesstrade)」を知っている人は多いはずだ。

インタースペースは2013年から海外展開を始め、2013年9月に、まずインドネシア、そして同年10月にタイに現地法人を設立。2015年4月にベトナムに合弁会社、2015年10月にシンガポールに現地法人、そして2019年2月に東南アジア5カ国目となる現地法人をマレーシアに立ち上げる。

 

そもそもアフィリエイトとはどんなビジネスなのか?


中田氏に登場ただく前に、簡単にアフィリエイトビジネスについて説明しよう。

アフィリエイトとは、「インターネット広告」で収益を得るビジネスモデルだ。

プレイヤーは、インターネット上に広告を出したい企業【広告主】と、広告主の広告を掲載するブログや情報サイトなどウェブサイトといった【媒体】、そしてこの2者を仲介する【ASP】の3者だ。

ウェブサイトを見に来た人が、広告をクリックして広告主のサイトに行き、そこで売買が成立すると、ASPから媒体に報酬が支払われ、広告主からASPには広告費が支払われる。



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画像出典:http://interspace.my/


つまり、「選ばれるASP」であるためには、① 売りやすい商材をもつ広告主、② 質のいい媒体の両方をネットワークのなかに持っていることが重要なのだ。
 
 

東南アジアナンバー1のASPを目指す


― マレーシアは御社にとって海外進出先としては5カ国目とのことですが、東南アジアの事業でターゲットとされていることは何ですか。

中田 目指すのは東南アジアナンバー1のASPです。現在、東南アジアでアクセストレードのネットワークに入っていただいている媒体数は約10万、eコマースの流通金額の1%がアクセストレードを経由しており、この数には自信を持っています。この数をさらに伸ばしていきたいですね。

― すでにマレーシアには外資も含め大手のASPなど競合も多いと思いますが、どういう戦略をお持ちですか?

中田 戦略はいくつかあります。

まず、インタースペースは日系企業ですが、東南アジアでは各国の市場に合わせたローカライズしたサービスを得意としています。

具体的には、広告主として地場の企業さんとのネットワークが挙げられます。マレーシアでいうと、エアアジアなどでしょうか。

もちろん、Alibaba(アリババ)傘下のLAZADA(ラザダ)や、シンガポール系のShopee(ショ
ッピー)などのオンラインショッピングサイトや、Expedia(エクスペディア)やAGODA(アゴダ)、CitibankやCIMBバンクのようなグローバル展開している企業も広告主としてネットワークに入っていただいていますが、現地になじみのある広告主の存在はやはり重要です。

 

「質がいい媒体」を広告主に提供する


― 広告主に対しては、インタースペースのどういう強みを売り込んでいく予定ですか?

中田 最近、アフィリエイト業界で問題となっているのが、アドフラウド(ad fraud、広告詐欺、不正な広告)です。

アドフラウドとは、さまざまな手口で売り上げを「偽装」することなのですが、インタースペースでは、こういった手口を使う媒体を指導したり、悪質な媒体には広告主を紹介しないなどの対処をとっています。

媒体と広告主をうまくつなげるのがASPの役割ですから、質のいい媒体を、いい商材を持っている広告主に紹介することで、お互い良い関係を築いていきたいと思います。

 

アフィリエイトはGoogleやFacebookの広告よりもコスパがいい


中田  もう一つ、広告主にアピールしたいのが、アフィリエイト広告の費用対効果についてです。

インターネット広告におけるアフィリエイト広告の割合が、日本では20%程度なのに対し、マレーシアは1%程度と先ほども説明しましたが、マレーシアでは、現状、ネット広告の予算のほとんどがグーグル広告かファイスブック広告に使われています。

しかし、アフィリエイト広告は、グーグルやFacebook広告に比べると費用対効果が高いという点はあまり知られていません。

これは考えてみれば当たり前に話で、アフィリエイトは成果報酬型の広告なので、広告費は売り上げに連動します。
1クリックいくらのグーグル広告や、1いいねいくらのFacebook広告よりのように、広告費をかけたのに売り上げに結び付かなかったということはアフィリエイト広告では起こらないわけです。

 

アフィリエイト未経験の媒体を育成するスキルが強み


― 媒体の方はどうやって集める予定ですか? 

中田 媒体さんには、個別に声をかけてアクセストレードのネットワークに入っていただくという感じになります。

媒体さんは、個人と法人があり、一番売り上げが見込めるのは、法人が運営している価格コムのような価格比較サイト、クーポンサイトです。
マレーシアの比較サイト最大手は「iPrice(アイプライス)」、クーポンサイトは「Couponation(クーポネイション)」あと、「Shopbank」というキャッシュバックサイトあたりが大手ですね。

とはいえ、数が多いのはブログや情報サイトといった個人が運営している媒体です。これまでアフィリエイトをしたことがない人にもぜひネットワークに入っていただきたいと考えています。


― アフィリエイトは、経験がないと難しくてあきらめてしまう人も多いと聞いていますが、どうなのでしょうか?

中田  そこで強みになるのが、インタ-スペースが東南アジア各地で培ってきた「媒体さんを育成するスキル」です。

「どうやったらビュー数が集まるサイトを作れるか」「トラフィックの増やし方」「成果の生み出し方」といったことが学べる無料セミナーを開催したり、YouTubeでウェビナー(オンラインセミナー)を公開したりということを他の東南アジアでやっているのですが、こういうことをしっかりやっているASPは他になかなかありません。
 
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媒体向けのセミナーの様子



 
また、売り上げが多かった媒体さんを表彰するアワードも定期的に開催して、媒体運営者のモチベーションを高め、また媒体さん同士で交流してもらう機会を提供しています。

― やり方を無料で教えてもらえるのはありがたいですね!
 

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アクセストレードのアワードの様子
 

マレーシアのアフィリエイトマーケットの拡大を目指す


―中田さんは東南アジアに4年在住とお聞きしていますが、マレーシアのデジタル化の状況をどう分析されますか?

中田 マレーシアは、東南アジアのなかではデジタル化が進んでいて、eコマースの一人当たりの購入金額は東南アジアではトップクラスです。

アフィリエイトの視点から見ると、世界各国から媒体や広告主が集まってきていて、例えば、欧米のクーポンサイトでマレーシアに進出しているところもあります。

媒体と広告主というアフィリエイトの「エコシステム」は一応存在している状態なので、そのエコシステムを、インタースペースがマレーシアに進出することでさらに進化させたいと考えています。
具体的には、アフィリエイトのマーケットは、日本ですとインターネット広告のうち20%程度ですが、独自調査によるとマレーシアではまだ1%程度。これをなるべく早期に10%にすることを目指していきたいですね。


  インタースペースの企業概要はこちらから

BigAdvert (M-Navi Business)

 

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